AI(人工知能)のできること・できないこととは?分かりやすく解説!

AI(人工知能)とは何かについてのアイキャッチ画像 AIお役立ち情報

最近、AI(人工知能)という言葉はいろんなところで聞かれるようになりました。

Googleで検索した時も、一番上に『★AIによる概要』が出てくるようになりましたし、家電などの暮らしに欠かせない物にも、AIが組み込まれつつあります。

でも結局、AIってなんなの?何ができて、これからどうなっていくの…?
そんな漠然とした疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

この記事ではAIとはどういった技術なのか、AIができることとできないことなどを、身近な活用事例も絡めてわかりやすく解説します。
ぜひ生活の、あるいはビジネスでAIを使うときの参考にしてくださいね。

AI(人工知能)の概要

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AIは『人工知能』とも呼ばれますが、まさに人間の脳をプログラムでシステム上に再現したものです。

普通のプログラムと違うのは、『AI自身が学習し、成長する』こと。
膨大なデータをもとに、自動で規則性を見つけ出して、最適な回答を予測し導き出してくれるのです。

具体例を挙げると、検索エンジンのAIなら、「こういうキーワードで調べるなら、知りたいことは多分これだな」
お掃除ロボットなら、「この家はこういう構造だから、ここに汚れがたまりやすいな」
といった効率化を、AIが自動で解析し、やってくれるというわけです。

これは機械学習という技術によるものですが、その中でも最近はディープランニングという技術が活用されています。

高度な技術のディープランニング

機械学習は「膨大なデータをもとに、AIに学習させる方法」ですが、ディープランニングはさらに一歩踏み込み、「人間の脳神経系をコンピューター上に再現したもの」です。

つまりどういうこと?と思うでしょうが、機械学習はデータの中から、「これとこれを分類してこういう特徴を拾い上げてね」と、勉強する内容を人間が指示する必要がありました。

しかしディープランニングはより効率的に、そういった指示なしにAI自身がデータの特徴を読み取り、分類分けすることができるのです。

まさに人口知能の名前の通り、自動で思考・解析するプログラムともいえるでしょう。

これによって機械学習よりもさらに高度な学習をAIが効率的に行えるようになり、人間では導き出せない、気が付かなかったようなことまでをAIが解決できるようになったのです。

AIができることの具体例

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ディープランニングによってAIはどんどん進化し、できることの幅は増えています。

ビジネスや暮らしの中で、どのようにAIが活用されているのかを具体例と一緒に見ていきましょう。

自然言語処理 (音声認識やChatGPTなど)

AIができることの中でも、文章や音声の理解は特に重要です。

膨大なデータをAIに学習させることで、あいまいだったり訛りの強い言葉でもその意図を読み取り、音声だけで操作したり翻訳を行ったり、AIと会話することができます。
またAIが文章の意図を解析して読み取れるようになったことで、質問に対する回答の精度も飛躍的に向上しました。

有名なChatGPTなども、こうした自然言語処理の技術が基になっています。

推論・予測 (株価や天気予測・検索システムなど)

データを分析し、最適な手段を導くというのはAIの得意分野です。
チェスや将棋などのトッププレイヤーがAIとの対戦で敗北したのは、そう最近のことではありません。

以前はAIでの予測の難しかった台風の進路なども、精度の高いモデルが発表されオープンソース化されるなどの事例があり、推論・予測・解析にかかわる分野は年々目まぐるしい発展を遂げています。

画像・文章などの認識とコンテンツ生成 (画像や文章生成など)

AIは既存のパターンから法則性を予測し見出すことで、画像や音楽、文章などを自動で効率的に生成することもできます。

AIのイラストは今や多くの投稿サイトなどで見ることができますし、YouTubeなどではAIによる音楽や映像作品が投稿されています。

自動生成AIに関しては著作権やクリエイターに対する倫理的問題などの議論もありますが、少なくともこうした技術は今後ますます私たちの生活上で見られるようになるでしょう。

当サイトでは生成AIに関する問題点・デメリットなども記事にしておりますので、こちらも併せてご確認ください。

AIができないこと、苦手なことの事例

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様々な分野で驚異的な能力を見せてくれるAIですが、現状ではまだ人間に及ばない、苦手とされる分野もあります。

それは少ないデータからの推論人の気持ちを汲み取った行動、そして目的を示すことなどです。

以下で詳しく、具体例を挙げながら解説いたします。

少ないデータからの推論

AIは機械学習による解析によって回答精度を上げ、様々な事例に対応することができますが、それは元となる膨大なデータがあって成り立つものです。

もちろん処理する内容によって必要なデータ量は違いますが、やはり利用できるデータが少なければ少ないほど精度は下がってしまいます。

全く新しいサービスや、あまり開拓されていない分野のAI化。
あるいは個人の事例に合わせて対応を変えるパーソナライズ化などは、現在のAIが苦手とする分野です。

人の気持ちを汲み取った行動

AIは現状、あくまでデータをもとに分析・予測し、答えを出しています。

しかし人間の感情や行動は非常に複雑で、なかなか予想が難しいものです。

具体例を挙げると、「すみません」といった場合でも、それが謝っているのか、だれかを呼び止めているのかで意味あいは全く異なります。
そのイントネーションによっても、困っているのかあるいは怒っているのかなど、様々な場合が考えられます。

これらは人間同士ならある程度、その場の雰囲気などで『察する』こともできますが、そういった相手の言葉の裏を探る、空気を読むような行動は、現在のAIにはまだまだ難しいとされています。

最終的な目的を示す

現在の多くのAIは何かに特化していて、特定の分野で人間よりもずっと早く、答えを導き出すことができます。

しかし、それらはあくまで人間が設定した目的を達成しているだけであり、AI自身が目的や目標を定め、思考して答えを出すことはまだできません。
こうした人間のような意識や感情を持ち、自立して行動するAIのことを『汎用型AI』、あるいは『強いAI』と呼びます。

いわばドラえもんが強いAIで、ひみつ道具が弱いAIといった感じでしょう。
しかし現状ではプログラムに従って行動する『特化型AI』…『弱いAI』しか実現していないのです。

AIを活用する際にはすべてをAIに任せるのではなく、人間が介在して目的や目標を設定してあげる必要があるのです。

0から何かを作り出す・創造性が必要な作業

文章や音楽などを作り出す、クリエイティブ分野もAIは難しい…とされていますが、実際のところこうした分野ではAIによる作品が年々数多く生み出されています。

もちろんそれらはAIが考え出したものではなく、既存の作品を学習し、そこから要素を汲み取って構築したものです。

全くの0の状態から、何か素晴らしいコンテンツを生み出すことは、今のAIには難しいでしょう。しかしそれはAIがクリエイティブが苦手ということではない様にも感じます。

すでにあるものを改良する、あるいは組み合わせて真新しいものを作るといったことは、今後AIによって盛んにおこなわれるでしょう。

AIを使うメリット

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AIができることはとても幅広いですが、具体的に導入することで得られるメリットとは何でしょうか?

ビジネスだけではなく、普段の生活においても活用できるかどうかという視点でも考えてみましょう。

業務や生活が効率化する

AIのメリットの1つは、判断の速さです。

膨大なデータの蓄積から、正しい答えを人間よりも圧倒的に早く、自動的に見つけ出すことができます。

ビジネスにおいては24時間、体調の変化なく働いてくれますし、品質や作業スピードも一定です。

またストレスのかかる仕事であっても、問題なく業務を行ってくれます。

普段の生活でもAIがスケジュールを管理してくれたり、家事の一部を担ってくれることで効率化され、時間に余裕が生まれるでしょう。

人件費の削減

業務や作業を自動化すれば、企業では多くの人員を必要としなくなります。

余分な残業代や休日手当、さらに人件費といったもろもろのコストを削減し、効率的に予算を運用できるようになるでしょう。

安全性の向上

AIは異常検知もできる事の一つです。

通常稼働時のデータをAIに学習させ、機器を監視させることで、何らかの異常やその予兆を24時間体制で検知して、事故を効率的に防ぐことができます。

また人間が立ち入れないような危険な場所であっても、AIを利用することで作業が可能になり、安全を確保できます。

AIの今後の展望

AIの今後の展望についての画像

さて、結局のところAIは『データを基にしたこと』ならほとんどの事ができる、あるいはできるようになり得る様です。

これらのAIの精度は今後ますます上がっていくでしょうが…近い将来、AIによって世界はどう変わっていくのでしょうか?

汎用AIの登場で世界が変わるかもしれない

日本総研が2024年6月に出したデータによると、将来的には現行の『弱いAI』でもある、与えられたデータをもとに行動する『特化型AI』ではなく、様々な仕事を人間と同等のレベルで実現できる能力を保持した『強いAI』、『汎用型AI』が誕生すると予想しています。

それは、例えばユーザー1人に専用AIが1つ割り当てられ、その人との会話や表情、これまでの人生、生活環境や交友関係を考慮し、その人のパーソナルにあった提案ができるものかもしれません。

あるいはビジネスの場では、営業や事務といったプラットフォームに準備されたプリセット知識と、その企業独自の考え方やルール、プロジェクト情報を組み込んだデータを読み込ませ、さらにAI自身の学習と周囲の社員からの指導や交流によって、24時間働いて成長する新入社員AI…なんてものができるかもしれないとも記されています。

もちろんそれに至るかはまだ未知数ですが、そうした未来予想が立てられているのは紛れもない事実です。

AIによって仕事がなくなる

しかし、そんなAIが普及したとき、雇用はどうなるのでしょうか?

よく話題に上がる、AIによる人間不要論。
そんなことにはならない、といったこともよく言われていますが、実際のところはどうなのでしょう。

2015年にオックスフォード大学と野村総合研究所は、今後10年から20年で人間が担っている仕事の49%はロボットやAIに代替可能という推計を出しました。

シンプルな事務作業や接客業務、ライン工などのやることがルーチン化した仕事や、あるいは電車やタクシーの運転手、ビルなどのメンテナンスや警備も、AIによって仕事がなくなると言われています。

これらは、おそらく実際に起こることではないでしょうか。

世の中のAIに関する多くの記事では、こうした状況に備えてできることを増やしましょう!AIとうまく付き合っていきましょう!という結論で締めくくられていますが、私としては現実問題として、AIによって雇用が著しく減少するというデメリットは発生しうると予測しています。

そもそもAIを導入するのは、業務を効率化して仕事を楽にするためです。

それが実現したならば、それまで10人の人員が必要だった仕事を2人で回せるようになるかもしれません。

そうなった時、仕事のなくなった8人はどうなるでしょうか?

他のプロジェクトに回されるなどなら良いですが、それができない企業も多くあるでしょう。

そうなれば必然、人件費の削減のための解雇や新入社員の雇止めといったことに繋がるはずです。

かつてインターネットは爆発的に流行し、多くの仕事に組み込まれました。

現在では様々なサービスがネットで、スマートフォンによって提供されています。

それによって世界は圧倒的に便利になりましたが、間違いなくその裏でインターネットに対応できず、仕事を追われた人も存在します。

同じようなことがAIでも起こった時、AIに対応できる人とできない人の間には、大きな差が生まれてしまうのではないでしょうか。

できる限りAIに苦手意識を持たず、今のうちから活用し、慣れ親しんでおくことは、これから先の社会で思った以上に重要となるように感じます。

AIにできること、できないことのまとめ

AIは、これまで人間が担ってきた多くのことを代替してくれる大きな可能性を秘めています。

以前は苦手とされていたクリエイティブ方面でも、画像や音声を理解し認識することで、最近は多くの作品が作られ、支持を集めつつあります。

将来的に自己学習する汎用AIが実現すれば、人間しかできないとされているクリエイティブな仕事もAIによって代替可能になるかもしれません。

とはいえ現状ではAIは、あくまでデータを基に学習し、答えを出すといった機能が中心。

こうしたAIは数多くのサービスが企業各社から提供されています。

自身の、あるいはビジネスでの課題に合ったAIを見つけ、それを活用することができれば、思っている以上の効率化を達成できるかもしれません。

ぜひ一度「こういうのをAIにやってもらえないかな…」という点を見つけ、それを成しえないか調べてみてください。

このサイトでは様々なAIを実際に試してみて、評価や感想をブログ記事としてアップしていますので、良ければそちらもご覧ください。

今回の記事を執筆する上で感じたことなども、こちらの記事にて追加で記載しておりますのでご確認ください。