OpenAIが提供しているChatGPTは、無料でも様々な場面で役に立ちますが、有料版のChatGPT plusにすることでより精度が高まり、更に動画生成AIの「SORA」も利用できるようになるなど、メリットが増えます。
本記事では、ChatGPT plusの機能や月額料金、無料版との違いなどについて詳しく解説いたします。
ChatGPT plusのメリット・できること 無料版との違い
ChatGPT plusは普段からChatGPTを多く利用している方、あるいは画像生成や動画生成などを試してみたいという方にとって、魅力的なメリットが数多くあります。
無料版のChatGPTについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
ChatGPTplusは、無料版のChatGPTに比べて、以下のような追加機能や利点があります。
項目 | 無料ユーザー | ChatGPT plus |
利用可能なモデル | GPT-4o(5時間に10回まで) GPT-4o mini | GPT-4o ChatGPT o1 |
GPT-4oの回数制限 | 5時間に10回まで | 3時間に80回まで |
音声入力モード | 〇 | 〇 |
ウェブからの情報収集 | 〇(制限あり) | 〇 |
画像生成 | 1日に2枚まで | 3時間で40回まで |
動画生成 | × | 〇 |
GPTsの利用 | × | 〇 |
それぞれの機能のより詳しい概要やメリットについては、以下に記載します。
GPT-4oが3時間当たり80回まで利用できる
ChatGPTにはいくつかモデルがありますが、高性能モデルのGPT-4oは無料版だと5時間に10回までの使用制限があります。
ChatGPT plusにアップグレードすることで、この制限は3時間あたり80回までに緩和されます。
GPT-4oは情報処理速度が以前のモデルと比べて飛躍的に早く、複雑な回答にも対応できます。
音声入力モードが使いやすくなる
ChatGPTは、音声による入力にも対応しています。
音声入力モード自体は無料ユーザーでも利用できますが、より高い精度を求めるのであればChatGPT plusに加入することをおすすめします。
ChatGPT plusの音声モードでは回答の待ち時間は平均して320ミリ秒で、人間と会話するのと同じ程度のスピードを実現しています。
また「マルチモーダル化」という、音声やテキストなどのデータを1度に処理する技術を取り入れたことで、ある程度あいまいな声や画像の認識精度が上がり、議事録なども正確に作成できるようになるなど、非常に高性能なAIモデルとなっています。
ブラウジング機能が使える
ChatGPTの弱点の一つに、学習データが古いというものがあります。
無料版で利用できるGPT-4miniは、学習データが2023年10月までのもので、最新の情報などはインプットされていません。
そのため時事ニュースや、トレンドなどには弱い傾向があります。
そうした弱点を補えるのが、ブラウジング機能です。
ChatGPT plusでこの機能をオンにすることで、ChatGPTがWeb上を検索して、最新情報を反映した回答をしてくれるようになります。
ブラウジング検索機能は以前はChatGPT plus加入者限定の機能でしたが、2025年現在は無料版のユーザーにも開放されています。
しかし、無料版には連続して利用できるメッセージ数や、ファイルアップロードの回数に制限が設けられていることがあり、安定して使うためにはChatGPT plusへの加入が必要となります。
画像生成AI「DALL-E3」を使える
ChatGPTには画像生成AIの「DALL-E3」も組み込まれています。
こちらは無料版でも利用できますが、1日に2枚だけという厳しい制限があります。
ChatGPT plusにアップグレードすることで、3時間で40回まで画像生成を行えるようになります。
OpenAI o1(o1-preview)が利用できる
OpenAI o1(o1-preview)とは2024年12月に正式にリリースされた、新たなAIモデルです。
GPT-4oに比べて、回答を出すまでにじっくり考えるというのがこのモデルの特徴です。
そのため回答には多少時間がかかるのですが、その分より複雑で高度な内容にも対応できるようになり、科学やコーディング、数学の分野でこれまでにないレベルの性能を発揮できるようになりました。
国際数学オリンピックの予選問題を解かせたところ、GPT-4oが正答率13%だったのに対し、OpenAI o1は83%を記録しました。
またコーディング能力は、CodeForcesというプログラミング競技で上位11%に入る水準をマークしています。
動画生成AI「SORA」が利用可能
X(旧Twitter)でも大きな話題となった、OpenAIが提供する画像生成AI「SORA」も、ChatGPT plusに加入することで使えるようになります。
ハイクオリティな動画をテキストや画像から簡単に作り出せるSORAは、発表当時ユーザーが集中したため新規登録ができないほどでしたが、現在では登録が再開されています。
OpenAIの新機能・改善機能をいち早く利用できる
OpenAIは様々な新機能やAIモデル、サービスをリリースしていますが、ChatGPT plusに加入していれば、それらを無料ユーザーよりも早くから利用できます。
AIの進歩は目まぐるしく、日々様々な新機能が開発されています。それらを他の人よりも早く試せるのは、ビジネスなどにおいて大きな優位性となるでしょう。
回線混雑時に優先的にアクセスできる
ChatGPTは2024年8月時点で、週間のアクティブユーザー数が2億人を突破しています。
時間帯によっては回線が混雑し、回答まで時間がかかることもあります。
そうした時も、ChatGPT plusに加入していれば優先して回線を利用することができます。
ChatGPT plusのデメリット
無料版に比べて様々なメリットのあるChatGPT plusですが、いくつか注意するべきデメリットもあります。
月額料金がかかる
当たり前のことではありますが、ChatGPT plusにアップグレードするには月額料金がかかります。
月に20$は執筆当時のレートで約3,000円ちょっと。
普段からChatGPTをよく使い、画像生成や動画生成も何度も使う予定があるという方には、全部込みで3,000円は安く感じるでしょう。
しかしあまり使う予定がない人にとって、無料お試し期間なしでの3,000円は少し高く感じるかもしれません。
必ずしも正しい情報とは限らない
ChatGPT Plusはブラウジング機能を利用することで、最新の情報をもとに回答してくれるようになります。
とはいえ、ブラウジング機能はChatGPTがウェブサイトを検索し、その情報を回答に反映する機能です。
その回答が正しいかどうかの精査は、無料版と同じように必要になります。
ChatGPT plusの料金
ChatGPT plusは月額で20$で加入できます。
日本円に換算すると、2024年12月時点で約3,000円ほどです。
支払方法はクレジットカードのみで、無料トライアル期間などはなく、支払後すぐに利用できます。
ChatGPT plusの登録方法
すでにChatGPTを利用しているのであれば、ChatGPT plusへのアップグレードは簡単に行うことができます。
1.ChatGPTにアクセス
OpenAIの公式サイトからChatGPTのブラウザ版にアクセスして、右上のボタンからログインします。
この画面になったら、左下の「プランをアップグレードする」を選択しましょう。
2.「Plusを習得する」を選択する
プランの選択画面が表示されるので、真ん中のPlusを選択します。
3.クレジットカードの情報を入力する
ChatGPT plusの詳しい料金と、クレジットカードの入力欄が出てきますので、必要事項を記入します。
利用できるクレジットカードはVisa、Mastercard、JCB、American Expressなどです。
下2つのチェック欄は、「キャンセルするまで、上記の金額と頻度で請求が行われます。」という方だけチェックを入れれば申し込みができるようになります。
4.メールを確認する
支払が成功すると、このような画面になります。
すでにこの時点でChatGPT plusは使えますが、念のため登録しているメールアドレスにOpenAIからのメールが届いているかを確認しましょう。
このようなメールが届いていたらOKです。
このメールから、ChatGPT plusの解約画面に行くこともできますので、念のためメールの保存をオススメします。
ChatGPT plusのよくある質問
ChatGPT plusにアップグレードしたいけど、よくわからないところがある…というよくある質問にお答えします。
月額料金が発生するのは加入日から30日後
月額制のサブスクを利用するとき、気になるのが引き落としのタイミング。
仮に毎月の月末日に引き落としだと、20日以降などに加入した場合わずか数日で1か月分の料金を請求されることもあり、もったいないと感じてしまいますよね。
ChatGPT plusは加入した時点で1か月分の料金が引き落とされ、以後毎月同じ日に自動的に引き落とされる仕組みになっていますので、いつアップグレードしても問題ありません。
支払の履歴はChatGPTで自身のアイコンをクリックし、「設定」から「サブスクリプション」、支払いの横にある「管理する」を選択することで、インボイスの履歴というところから確認できます。
混雑時はまれにGPT-4oを利用できる回数が減る
基本的にChatGPT plus会員は、GPT-4oを3時間当たり80回まで利用できます。
しかしユーザーが集中しサーバーが混雑した場合、この制限回数に満たなくてもモデルがGPT-4ominiに変わることがあります。
ChatGPT plusへのアップグレードがおすすめの人
ChatGPTは無料であっても様々な機能を利用できますが、それでもChatGPT plusに加入した方がいいのはどのような人でしょうか?
健康管理や投資などにChatGPTを利用する方・高度な内容でのChatが必要な方
2025年現在、ChatGPTは無料であっても一定以上の性能を持つモデルを使えますが、Plusにすることによって最新モデルのGPT-4oやOpenAI o1が利用できます。
特にOpenAI o1は、実際に使ってみると明らかにそれ以前のモデルよりも回答の精度が高く、ストレスなくChatGPTに質問や要求をすることができます。
ライターや編集者、あるいは日々の健康や投資など、重大なことにChatGPTを使いたいと考えている方は、ChatGPT plusにアップグレードすることでより安心してチャットを利用できるでしょう。
ブログやSNS更新に使う画像が欲しい方
画像生成AIは数多くありますが、ChatGPT plusではDALL-E3という高性能なモデルを使うことができます。
もちろん他の無料の画像生成AIを使うこともできますが、ChatGPT plusは日本語で、多少あいまいな表現からでも画像を生成可能で、さらに細部の描きなおしなどの指示もそのまま行うことができます。
画像生成は1度で思った通りの画像を出すのは難しく、何度かトライ&エラーが必要です。そうしたときに、日本語で話しかけるように指示を継続して出すことのできるChatGPT plusの画像生成は、非常に便利です。
ブログやSNS更新に使うため、継続的に画像生成を使いたいという方は、ChatGPTの画像生成は利便性が高くとてもおすすめです。
ChatGPTをカスタムしたい方
プラグインやGPTsを利用できるのも、ChatGPT plusの大きな魅力です。
それぞれのニーズに合わせて、自分に合ったチューニングのGPTsを探す、あるいは自分で作ってしまえば、日々の業務や生活に大きく役立ちます。
まとめ・ChatGPT plusと無料版の違いを理解し、自分の使い方に合ったプランを選ぼう
ChatGPTは無料で使うこともできますが、plusにアップグレードすることで回答の精度やスピードが上がり、画像生成AIのDALL-E3や、映像生成AIのSORAなど魅力的な機能も使えるようになります。
またOpenAIが手がける、世界でも最先端のAIの機能を、先行で試すことができるというのも大きなメリットです。
月額料金は20$と少し高めではありますが、日常生活やビジネスでよくChatGPTを使う方は、一度plusへのアップグレードを試してみてはいかがでしょうか。